本日午後から、府中の森芸術劇場で、第53回東京都市議会議員研修会が開催され参加してきました。講師は、元岩手県知事・総務大臣で現在野村総合研究所顧問を勤められている増田寛也氏でした。増田氏は、近著『地方消滅-東京一極集中が招く人口急減』(中公新書)で人口減少による地方自治体の衰退を警告し、大きな反響を呼んでいます。
講演は「人口減少時代をどう乗り切るか」と題して行われました。事前に著書に少し目を通しておいたので、内容が理解しやすく、これからの自治体経営や日本の社会を考えるうえで大変示唆に富むお話でした。
いただいた資料の要約からポイントを引き写しますと
1.人口減少の要因は2つ。20~39歳の若年女性の減少、地方から大都市圏(特に東京圏)への若者の流出。
2.少子化対策と東京一極集中対策を同時に行うこと。
3.根拠なき「悲観論」は益なし。国民が基本認識を共有し適切な対策を打つことで、人口の急減を回避し安定的な人口規模を得ることができる。
というものです。
人口推移等のデータを改めてみると、我が国の人口減少のスピードが急激なカーブを描くことがわかり、少なくとも現在と私の所属する“第2次ベビーブーム”世代が高齢者になるころとでは、明確に人口構成も社会の形も大きく変化せざるを得ないことがわかります。
人口減少に関しては、私たちの世代が、本来なら1990年代後半から2000年代前半に人口増になるような波をつくるはずだったのが、そうはならずにずっと出生数減になっています。これは、私たちが大学卒業前にバブルが弾けて就職氷河期となり、以来、雇用環境が大きく変化してきたことと無関係ではありません。講演後の質問でも、若者の雇用環境と結婚・出産との関係について質問が出され、増田氏は重要な問題ととらえている様子でした。
会社員時代の同僚でも学生時代の同級生でも、結婚が遅くなっていたり、結婚への意思はあるのにいまだ独身であったりしています。かくいう私も結婚は遅いほうでしたので偉そうなことは言えませんが、周りを見ると、正社員や公務員であるけれども、出会いがない・経済的に厳しい・生活コストが高い等、家庭を作ることに一歩踏み出せない現状があります。
ここを、国としても地方自治体としてもどうしていくかが大きな課題だと思います。
残念ながら、第2次ベビーブーマーは40代に突入し、出産年齢の95%を占める20~39歳の人口は今後とも減り続けていきます。確実に人口が減少していく中で、しかし、対策は早ければ早いほど効果がある、というのが増田氏の主張でした。私たちはできることから少しずつでも前に進めていかなければなりません。
また、東京一極集中ということについても、その批判の内容は東京の活力を奪おうということではなく、東京が国際都市として活力を維持しつつ、より地方での人口減少に歯止めをかける対策を打つことが重要であると訴えておられました。
人口の変動が、街の形を変え、行政のシステムも変えていきます。今後の地方自治体の課題の大きさを改めて実感した講演でした。

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