本日、3月11日は東日本大震災の発災から4年目となります。
本日、3月11日は東日本大震災の発災から4年目となります。あらためて犠牲になられた方々に心からの哀悼の意を表するとともに、今なお被災地で呻吟されておられる皆様にお見舞いを申し上げます。
今日から議会では、予算特別委員会が開かれ、平成27年度の予算案の審議が行われています。その審議の途中、午後2時46分には、市役所庁内でも放送があり、その場にいた全員が1分間の黙禱を捧げました。
新聞やテレビ等の報道を見ると、ご家族を亡くされた方の悲しみはどこまでも深く、癒えることのない傷を抱えながらも、必死に歩み続けておられるご様子でした。特に、小さなお子さんを亡くされた親御さんの悲しみは、それが自分に置き換えたらどうかと考えただけでも胸が痛く泣きたくなるような思いです。
公明党はこれまで、「人間の復興」を掲げて様々な施策を、地方議員と国会議員が連携をしながら進めてまいりました。今後も、人間の復興、心の復興を目指し、ご苦労を重ねている被災者の方々と共々に歩みを進めていきたいと決意しています。
悲しみを忘れず、しかし前を向いて希望を持って進んでいきたいと思います。
被災地からの連想で、かつて中学時代に担任であった国語の先生が紹介してくれた、岩手県出身の詩人・宮沢賢治の詩を思い出しました。賢治が自分の教え子たちに贈ったとされる詩です。清々しく力強い詩です。被災地の若い人たちに、故郷の先人のこの詩を是非紹介したいと思います。
手元にある岩波文庫「宮沢賢治詩集(谷川徹三編)」を引用します。(漢字は現代風に改めました)
生徒諸君に寄せる
生徒諸君
諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか
それは一つの送られた光線であり
決せられた南の風である
諸君はこの時代に強ひられ率ゐられて
奴隷のやうに忍従することを欲するか
今日の歴史や地史の資料からのみ論ずるならば
われらの祖先乃至はわれらに至るまで
すべての信仰や徳性は
ただ誤解から生じたとさへ見え
しかも科学はいまだに暗く
われらに自殺と自棄のみをしか保証せぬ
むしろ諸君よ
更にあらたな正しい時代をつくれ
諸君よ
紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか
じつに諸君は此の地平線に於ける
あらゆる形の山嶽でなければならぬ
宙宇は絶えずわれらによつて変化する
誰が誰よりどうだとか
誰の仕事がどうしたとか
そんなことを言つてゐるひまがあるか
新たな詩人よ
雲から光から嵐から
透明なエネルギーを得て
人と地球によるべき形を暗示せよ
新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系統を解き放て
衝動のやうにさへ行はれる
すべての農業労働を
冷く透明な解析によって
その藍いろの影といつしよに
舞踏の範囲にまで高めよ
新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を
素晴らしく美しい構成に変へよ
新しい時代のダーヴヰンよ
更に東洋風静観のキャレンヂャーに載つて
銀河系空間の外にも至り
透明に深く正しい地史と
増訂された生物学をわれらに示せ
おほよそ統計に従はば
諸君のなかには少くとも千人の天才がなければならぬ
素質ある諸君はただにこれらを刻み出すべきである
潮や風……
あらゆる自然の力を用ひ尽くすことから一足進んで
諸君は新たな自然を形成するのに努めねばならぬ
ああ諸君はいま
この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る
透明な風を感じないのか