長崎視察

長崎視察
2月4日から5日にかけて、会派で長崎市に視察に行ってまいりました。
長崎市の、戦災建造物の保存への取り組み、平和教育への取り組みを中心として、実際の建造物や原爆資料館等も見学してきました。

1日目は、原爆資料館並びに死没者追悼平和祈念館を見学いたしました。「平和案内人」の方に付いていただき、展示資料をはじめ当時の状況を詳しく伺いながら時間をかけて見学させていただきました。自分一人で回ると何気なく過ぎてしまうような展示物でも、しっかりとその背景や影響、また祈念館については建設の意義等を伺うことでより深く心にとどめることができました。

2日目は、午前中は長崎市役所で担当者の方から、被爆した戦災建造物の保存について、また平和教育について、そして被爆継承の取り組みについてをご説明いただきました。「最後の被爆地に」との決意を職員の方も共有していることがしっかりと感じ取れ、被爆者の方が語ることができなくなっても、被爆者・被爆地の実態をしっかりと後世に伝え続けていくことができるよう、真剣に取り組みをなさっておられました。また、経年劣化していく建造物を如何に保存するか、その苦心の様子も伺いました。また、大変優れた平和教育の教材も作成し、小学校低学年のうちからしっかり平和教育をすることで、その成果が上がっている様子も伺いました。そして、長崎の状況・平和への思いを伝えるための展示会や被爆講和の派遣事業も、国の補助も受けながら展開されていることを知り、是非、当市においても前向きに進めていけたらと思いました。
午後は、国の史跡となった「城山小学校」の被爆校舎を訪問し、ご自身被爆者でもあられる方から、当時の模様と城山小学校の保存に関することを詳しく伺いました。胸が苦しくなるような内容もあるお話でした。ご自身は防空壕を掘っていたために、原爆の熱線など直接受けずに済んで、当時の城山小学校の児童のほとんどが原爆で亡くなった中で、極めて数少ない生き残りの児童となることができたそうです。本当に戦争の悲惨さ、核兵器の怖さ、人間の業の深さを叩きつけられるようなお話でした。

3日目は、実際の建造物の保存状況とその活用の視察で、原爆投下中心地を皮切りに、防空壕跡や平和公園、山里小学校、如己堂、浦上天主堂、長崎大学医学部、山王神社の鳥居、クスノキなどを回らせていただきました。その存在自体が、原爆の暴力性を雄弁に物語るものばかりでした。

今回の視察では、一つのテーマを深堀する形で学ぶことができました。本当に戦争をしてはいけない、核兵器を存続させてはいけないということを改めて認識し、当市においてもそうした思いを共有できる事業展開をすべきであると考える3日間となりました。