11月1-2日に昭和病院企業団議会の視察で大崎市と八戸市へ

私が現在所属している「昭和病院企業団議会」の行政視察が、11月1日・2日に行われました。

1日は、宮城県大崎市の大崎市民病院を視察しました。
病院理念を「市民が安心できる医療の提供」と掲げ、大崎・栗原医療圏の中心拠点として運営されている病院です。
昭和病院と規模の似た病院で、質の高い地域完結型医療の推進をしており、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)や手術支援ロボット(da Vinci
Xi)が導入されています。
大崎市民病院は経営改善の面で大きな成果を上げており、6年連続の黒字を達成し事業全体における累積欠損金を減少させています。
また、地域での救急医療にも人旅行しており、かかりつけ医や地域の介護施設・診療所と連携しながら、地域全体が一つの病院として機能していくよう努められておられました。
質疑の時間で、周産期母子医療における地域連携について確認させていただきました。地域の産科等と連携しながら、身体的にまた社会的に課題のある妊婦さんの出産も積極的に引き受けている様子、産科希望の研修医を受け入れて人材育成に努めておられることも伺いました。
この質疑の中で、視察にご対応いただいた大崎市民病院の先生から産科の現状に関して、採算が合わない地域の産婦人科が事業から撤退していること、少子化でNICUも稼働率が低くなっていること、産科は集約せざるを得ない現状になりつつあることの指摘をいただきました。しかしながら医師としては、お産をするのに近隣に産科がないから、妊婦は大都市に泊りがけでお産に行くような状況は好ましくないこと、政府は子育て支援に力を入れているが、子供そのものを安心して埋めるような状況でない限り、支援すべき子供がますます減るのだから、国はどの地方・地域に住んでいても妊婦が安心して出産できる態勢を作ってほしい、と要望されていました。
少子化の影響を受けて、赤字経営を余儀なくされて地域から産科や小児科が少なくなる影響の大きさを改めて教えていただいた思いでした。
病院内も見学させていただき、最先端の医療で地域住民の健康と生活を守っていく公立病院の役割を果たされている様子を拝見させていただきました。

2日は、青森県八戸市の八戸市立市民病院を視察しました。
八戸市立市民病院は「常に医療の質の向上に努め、患者中心の恕(おも)いやりのある医療提供」を理念として掲げれています。
特に、救急救命医療に力を入れておられ、ドクターヘリやドクターカーを稼働させ、広範な地域の救急救命医療の充実に特に尽力されておられます。
救急医療のスローガンを「劇的救命」と掲げ、この救急救命医療の分野では、大きな成果を上げおられ全国的に有名です。多くの若い救急医療を志す先生方が研修に来られるそうです。
ドクターヘリについては、50キロ圏内の事案に素早く対応できるよう整備されており、地域住民の命を守る大きな役割を果たしています。またドクターカーも頻繁に活用されています。八戸工業大学の協力しながら、特に現場でカテーテルの処置など手術が出来るよう車両の改良を進められ、実際に稼働された様子もうかがいました。
目指す救急医療の在り方は、その先進地域であるロンドンだそうです。
ドクターカーのサイレン音もこの9月から改良され、車内のドライバーにも今まで以上にきちんと認識できるよう「イエルプオン」に変えられて運用されています。
実際にドクターヘリ・ドクターカーも間近に見学させていただきました。
何より、事業管理者や院長の先生をはじめ多くの熱意あるスタッフが懸命に医療に取り組まれている様子を実感させていただきました。

実際に現場に足を運んでお話を伺い、学ばせていただくことの多い視察となりました。今後の昭和病院企業団議会での議論に行かせていきたいと思います。