図書館総合展2026へ行く

本日から3日間の予定で開催される『図書館総合展』へ行ってきました。
例年いくつかのフォーラムに参加していますが、今年は予定が詰まっていて、本日一つのみの参加となりました。その一つのフォーラムが本当に素晴らしい内容でした。「本で編み直す復興と未来 大熊町の挑戦と学びの拠点づくり:読書・本を中心に~まちづくりと調べる学習」というタイトルで、福島県大熊町の教育長と生涯学習課の方が登壇され、町のこれまでの取組について大変示唆に富んだお話をいただきました。
大熊町は、東日本大震災の前から、「読書のまち」づくりを積極的に展開されていました。読書活動推進町民会議など開催し、町民全体を巻き込んで、「最近どんな本を読んでいますか?」があいさつ代わりになる町を創ろうと、活動を推進。学校図書館にも、2004年から司書教諭補助員=学校司書を配置。これが劇的な変化を学校図書館にもたらし、教員へ好影響を与えたそうです。そのきっかけとなったのが、ある高校図書館司書との出会いで「図書館に人を置くことが先。図書購入費を削ってでも。人が入ると図書館が劇的に変わる」とのアドヴァイスをもらったことだそうです。
また、調べ学習を進めた生徒が、「椎茸味噌」という町の伝統料理に光を当て、震災で途絶えかけたその料理を実際に復活させる夢を持って、現在も学びを進めるエピソードが紹介され、自主的な調べ学習の学びの深さを感じました。
災害時の読書の必要性も実感を持って語られた後、大熊町の教育の取組として、「大熊町立学び舎ゆめの森」という認定こども園から義務教育学校まで、一貫した教育環境を設けて、「0歳からのシームレスな学び舎」として探求深化の学びの実現をしていく新たな取組についてお話されていました。
終盤では、公民館・図書館・博物館の3つの機能が融合した社会教育複合施設「ととと」の建設に向けた動きも紹介されました。
佐藤教育長の語られた中で、「原発災害は分断を生む災害。故郷の人と似度と会えなくなる。また帰還が始まると、❝帰還者❞❝移住者❞という『者別』言葉で人の分断が生まれる。だからこそ、『ことば』を大切にし、分断の社会ではなく、人がかかわる、つながることが重要視される。そのために必要なのが、読書であり、本であり、社会教育である」(趣旨)とのお話に感銘をしました。
展示会会場では旧知の方と何人かお会いし、図書館業界・教育業界の動向について教えていただきました。国がもっと、図書館や出版を含めた文化へ、そして研究とともに教育全般へ予算をもっと投じてほしいとの切実な声も伺いました。
昨年は委員会視察で伺えずに2年ぶりの参加となりましたが、気づきと学びの時間を持つことができ、出展者・登壇者・運営者の皆様のご尽力に感謝したいと思います。
#図書館総合展2026